御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
「いやー。やっぱり日和の顔が毎日見れないのは寂しいなぁ」

相変わらずお父様は、この間と同じようなことを言う。私をあの別荘で暮らすようにしたのはお父様でしょ、とはやっぱり面倒で言わない。

先日と同じように、お父様の部屋のソファに向かい合って座る。
今この部屋にいるのは、私とお父様の二人だけだ。


「それで、今日の本題は?」

早速話を進めようとする私に、お父様は少しだけ寂しそうな顔をする。もう少し親子の会話を楽しみたいと思っているのだろうけれど、そう遅くならないうちに帰宅して夕ご飯の支度をしたい。


それでも、お父様はなかなか口を開かない。というか、何だか非常に言い辛そうなことをこれから口にするような、そんな雰囲気だ。

少しだけ緊張してしまう。多分、そんなに大したことは言われないと思うけれど……。


姿勢を直し、肩に力を入れたところで、ようやくお父様が言葉を発した。


「日和と陽平くんの結婚の話だけどね」


ドキ、と心臓が跳ねる。
もしかして、本格的に結婚の話を進めていくのだろうか。
私と陽平くんが両想いとなり、普通の恋人同士と変わらない関係になっていることは、恥ずかしいのでお父様にはまだ話していない。
そのためお父様は、私が結婚に対して未だに不本意だと思っている可能性がある。だからこんなに言い辛そうな顔をしているのだろう。
拍子抜けしてしてしまった。私からしたら、早く結婚を進めてほしいもの。


「私と陽平さんの結婚が何?」

「解消しようかと思って」



……はい?
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