御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
急に私が声を荒げると、お父様がビクッと身体を震わせる。

「いや、でもな。日和も結婚は嫌がってたじゃないか」

「それは……っ」

そりゃあ、最初はそうだったわよ。無理もないじゃない、知らない人と結婚しろなんて突然言われたら、きっと誰だって拒否してみせる。

だけど……私は陽平くんのことが好きになったから。彼と結婚したいから。

だから、今更結婚を白紙にするなんて言われても困るっての!


私はソファから立ち上がり、ハンドバッグを持って帰り支度をする。


「お父様とお母様のことは、自分達で解決して! これ以上私と陽平さんを巻き込まないで!」


去り際にそう言って、私は家を出た。


すぐに鏑木に車を出してもらい、別荘まで送ってもらう。


その間も、私はずっと機嫌が悪かった。


でも、まあ。陽平くんのことが好きだということはお父様には言わなかったけれど、結婚の話を白紙に戻す気はないということはきっと伝わったよね。

陽平くんも同じ気持ちのはずだし、私達が結婚する意向でいる限り、この話がなくなることはないだろう。


そんなことを考えていると、いつの間にか車が別荘に到着した。

鏑木を見送ってから、玄関の戸を開ける。
ただいまー、と言ったけれど、返事はない。
おかしいな。鍵が開いているから陽平くんは家にいるはずだけれど。

不思議に思いながらリビングに向かうと、陽平くんの声が聞こえてきた。どうやら電話をしているようだ。

なるほど、だから返事がなかったのかーなんて思いながらそっとリビングに入る。

陽平くんも私の帰宅に気付き、目が合ったけれど、〝気にしないで電話続けて〟というジェスチャーをなんとか送ると、上手く伝わったようだ。

そして、しばらく電話を続けた後……


「はい、では今度日和さんとお伺いします。では、また」

そう言って電話を切った。


今の電話って、もしかして……。
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