騎士団長のお気に召すまま
「ひ、ヒィィッ!!お、お助けくださ…」

「無理だな、お前は懲罰房行きだ。代わりの守衛は俺が用意する。おい、衛兵!」


レオナルドの声に、基地の奥から兵服の男性が二人駆け足でやって来てエディの身柄を取り押さえる。


「わ、私は!私は知らなかったのです!知らなくて!だからその!」

「うるせェ。うだうだ言ってねェでしっかり反省しやがれ!団長にもお伝えするから覚悟しとけよ!」

「そ、そんなあ!」


エディは抵抗しながら基地内にある懲罰房の方へと連行され、辺りは一気に静かになった。

エディの姿が見えなくなるとレオナルドはアメリアに頭をさげる。


「うちの団員が無礼な真似をしてすみません」


アメリアは慌てて「謝らないでください」と首を横に振った。


「そんな、謝られるほどのことではありません!」


貧乏貴族のアメリアにとって、エディから受けたような嫌がらせは日常茶飯事だった。

ミルフォード子爵家よりも階級が高い令嬢や家からはよく八つ当たりや虐めを受けてきたのだ。

そのためアメリアはこの程度のことで簡単に傷ついてしまうほどか弱くはない。


文句を言うどころか笑顔を見せるアメリアに、レオナルドは驚いていた。

アメリアが貴族令嬢であることは聞いていたが、こんなにも心優しいとは考えもしなかったのだ。


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