【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
蘭君のことを考えれば考えるほど胸の奥が痛くなって
思わず拳を軽く握り締めたせいで、写真が少しだけ曲がってしまった。
慌てて折り目がつかないように写真を真っ直ぐに直すと。
的を狙うような目で歩夢さんがジッと私の方を見ていたから
少しだけ恥ずかしくなって、目線を思いっきり逸らした。
「...くすっ」
「...なに笑ってるんですか、歩夢さん」
「いや、彩羽ちゃんって、ものすごくわかりやすいなーっと思って」
「わかりやすい?私がですか?」
「うん。
好きなんでしょ、」
「へっ?」
「蘭のこと」
「ーーーッ!?」