【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
*
もしも魔法が使えたら、私は真っ先になにをお願いするのかな...?
蘭君との幸せな日々?
蘭君の気持ちを私だけのものにする?
ううん、そんなの許されない、許されるわけがない。
そんなお願いしたって、虚しいだけだって分かってるから。
私ならもっと
もっと単純で、もっと残酷な...
そう。
願うなら、蘭君と出会う前の自分。
求めるものも、なにも持っていなかった
愛さえよく分かっていない、子供のままの臆病な自分に戻りたいんだ。
でも、そう願えば願うほど
頭が蘭君一色に染まって、これじゃあまるで
ーーー愛じゃなくて、執着だね。