【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





「お邪魔します...」と、靴を揃えて恐る恐る部屋の中に入ると、必要最低限のシンプルな家具と衣服しかなかった。



ソファに畳まれて置いてある服だけが、なんだか生活感漂う。




「水しかねーが」


「あっ、じゃあお願いします」


「ん」



すぐ近くにある冷蔵庫を開く彼。




見た感じ一人暮らし。



なのに無駄に広い部屋で、しかも物も全然置いていないのに...この人は寂しくないんだろうか。




「これ飲んだら、寝室で寝ろ」



言いながら、冷えたお水が入ったコップを渡してきた。



それを受け取って、一気に飲み干す。




「寝室って...一緒に、ですか?」


「んなわけあるか。
俺はソファで寝る」


「でも、ここはあなたの家だから...。
私がソファで寝ます...あっ、なんなら床でも大丈夫です」












< 25 / 451 >

この作品をシェア

pagetop