【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「お邪魔します...」と、靴を揃えて恐る恐る部屋の中に入ると、必要最低限のシンプルな家具と衣服しかなかった。
ソファに畳まれて置いてある服だけが、なんだか生活感漂う。
「水しかねーが」
「あっ、じゃあお願いします」
「ん」
すぐ近くにある冷蔵庫を開く彼。
見た感じ一人暮らし。
なのに無駄に広い部屋で、しかも物も全然置いていないのに...この人は寂しくないんだろうか。
「これ飲んだら、寝室で寝ろ」
言いながら、冷えたお水が入ったコップを渡してきた。
それを受け取って、一気に飲み干す。
「寝室って...一緒に、ですか?」
「んなわけあるか。
俺はソファで寝る」
「でも、ここはあなたの家だから...。
私がソファで寝ます...あっ、なんなら床でも大丈夫です」