【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
男のいやらしい目、声、手つき。
すべてが気持ち悪くて仕方がなかった。
きっと彼が助けてくれなかった今頃私は......
「っ...っ...」
声を押し殺して泣いた。
枕に顔を押し付けても、どうしても溢れてくるこの涙が止まることを知らなくて。
「......あの、一緒に...寝てください...」
気づけばリビング、長い脚がソファからはみ出ててもお構い無しに寝そべっている彼の前に立っていた。
「...バカ言ってんじゃねー...1人で寝ろ」
「でも怖くて」
「男と寝る方がよっぽど怖いだろ、手出すかもしれねーだろ」
「...」
確かに、知らない男に触られるほど気持ち悪いものはない。
だけど
怖い思いをしたその日に、1人で寝ろなんて。
それはそれで嫌なの。
それに。
「あなたなら...絶対に手を出さないと、思うから...」
謎の信頼があった。
心底どうでもよさそうに私を見つめる彼が、私なんかを襲うはずがない、と。