【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「...会ったときから、めんどくさい女だな、お前は...」
ふぅ...とため息を吐かれて、どうしようもない気持ちになる。
立ち上がった彼が、私の背中を軽く押して寝室に移動させた。
ーーーそして。
「いいか、絶対俺の方向いて寝るなよ。いいな?」
「はっ、はい!」
私は今、この人と2人でベッドの中にいる。
すぐにでも体と体がぶつかりそうな距離。
聞こえてくる不満そうな吐息。
感じる彼の匂い。
頭がおかしくなりそうなくらい、彼を意識してる自分がいた。
これはこれで寝れないかも...
「あの...っ」
「寝ろ」
「あっ...でも、名前だけ聞きたくて」
「今この状況で名前を聞く必要がどこにあんだよ。
お前は空気が読めない奴だな」
「でも..."お前"って言われるの、そんなに好きじゃないんです、わたし」
「...」
「だから教えてください」