【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
めんどくさい女だと思われてもいい。
これっきりの関係にしたくないから。
「...蘭(らん)」
「...らん?」
「名前」
「...苗字は?」
「チッ...そこまで聞いてどうすんだよ。
百目鬼(どうめき)だ、百目鬼」
「百目鬼...蘭さん?
いいお名前ですね、ついでに年齢も教えてください」
「...17」
「17歳!?うそっ!!私と同じ歳!!?」
絶対に向いちゃいけないのに、驚きすぎて体を蘭さんの方に向けてしまった。
最初にした約束を破られた蘭さんは、怒って私の頬を強く押しながら、反対の方にまた向かせた。
見えない。
20歳ぐらいだと思ってた...。
だって私とは違って、落ち着いてるんだもん。
「こっち向くなアホ、お前の顔見ながら寝るとか最悪だ」
「そこまで言わなくても...」
「つかお前ほんとに17か?...どう見ても中学生にしか見えねーな」
「...よく言われます...」
「...でっ?」
「はい?」
「俺も答えたんだ、次はお前が名乗れ」