【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「まだ怒ってんのか...?」
頬を膨らませている私の顔を覗きこんでくる蘭君。
日が沈み、辺りは真っ暗になっていた。
そのせいですぐ近くにある蘭君の顔がよく見えないから、ちょっとだけ...寂しいや。
「どうせ私は重い女だもん...。
蘭君のこと大好きすぎて、蘭君に会えない日なんか世界滅亡しないかなーとか考えちゃう危ない女だよ」
「...フッ、なんだそれ。
確かに重い女だな、お前」
「でしょー!?
自分でも思うよ」
「まあでもな、俺はお前のそういうところが好きなんだよ」
「ーーーッ!?」
突然後ろから、ぎゅっと抱きしめられて。
どこからやってきたのか分かんない甘い雰囲気が、夜の海を支配する。
蘭君が好き。
好きすぎて、蘭君に甘い言葉を囁かれる度意味わかんなくなる。
「もっと...俺に依存しろよ」
「...っ」
「離れた瞬間、死にたくなるくらい、もっとだ」