【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
ひどいくらいに、惑わされた結果がこれだ。
恋に溺れて独占欲が増していく私に、それ以上の愛を求める蘭君。
蘭君の方がよっぽど危ないよ...。
いや、蘭君は出会った時から元々危ない人だった。
「俺と会えない間も俺のことばかり考えてた彩羽ちゃんに、ご褒美をやろう」
「...?」
そう言って蘭君が私の首元を触る。
蘭君の手とは違う、他の何かが首元に触れて、くすぐったい。
暗闇に慣れた目が見たものは...しずく型のネックレスだった。
「...っ...これって...!?」
「高いもんやれば、いいってもんでもないが。
せっかくの休みだ、金貯めてお前のためになにか買ってやりたかったんだよ...」
「...」
「柄じゃねえんだよ、こういう事すんの」
照れた顔を隠すため、その場にしゃがみ込む蘭君の姿に
胸の奥がギューーーーっと押し潰されて。
もうやだよ。
蘭君かっこよすぎる。
蘭君が私のために頑張ってるそんな時に
ワガママばっかり言って...わたし、ほんっと大バカ野郎だ。