Flower love

ラウルに勝てない自分が悔しかった。

きっと、リンも自分よりラウルを求めているに違いない。

そう思ったから、ここまで来たのだ。

悔しいが、今はラウルが必要だった。

「そう、分かった。でも、ラウルはここにはもういないわよ」

「え?」

「ラウルが未来人の子と付き合ってるってバレちゃったの。毎日毎日報道陣たちに追われる日々よ」

フィルシアは肩をすくめた。

「……すみません」

自分のせいだとレオは頭を下げる。

「あなたが謝る必要はないの。どうせ、遅かれ早かれバレてたと思うし。それを承知でラウルもリンちゃんと付き合ってたんだしね。じゃ、あたしの車に乗って。ラウルの家まで送ってあげる」

「ありがとうございます」

フィルシアは再び車の方に戻って行く。

二人はフィルシアについて行った。

「でっ……!?」

フィルシアの車を見てレオの第一声。

それもそのはず。

真っ赤で、おまけに傷一つ無いスポーツカーだ。

何百年前で言うとポルシェ。

外車だということは、車に興味がないレオでさえ分かった。

「乗って」

「え……いや……」

俺たちみたいな凡人が乗っていい物なのか……!?

と、レオとロアは躊躇する。

「そんな緊張しなくてもいいわよ。これ、借り物だから」

「借り物?」

「そっ。あたしの車は報道陣たちに知られてるから。今だけね」

フィルシアは可愛らしくウィンクする。

「だからって何も高級車にしなくても……」

ロアは苦笑しながら乗り込んだ。その後にレオが続く。

「だって、お金は事務所が全部払ってくれるんだもの。だったら、がっぽり貢がせなきゃ」

フィルシアのにこにこと微笑んでいる顔が、バッグミラーから確認できる。

男二人は後部座席で青くなっていた。

「じゃ、しゅっぱーつ!」

何故かフィルシアはハイテンションだった。

「遠いの?」

ロアは景色を眺めながら問いかける。

「ん、ちょっとね。でも、ここに入ると結構近道」

フィルシアは本当に楽しそうに運転していた。

結構事態は深刻なんだが。

結構走った頃、突然フィルシアの笑顔が引きつった。
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