「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
「……これで、私はよかったと思ってるから……またあなたに会えて、それでよかったって感じているのだから……」
「……ジュリア様……」
潤んだ眼差しを向ける彼に、
「……リュート」
呼び返して、涙の滲む頬にそっと手で触れた。
その手に、リュートが自分の手を重ね合わせて、
ひどく長い間、押し黙った後でーー
「…………会いたかった」
リュートはたった一言を口にして、泣いた……。