「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜

「お嬢様、温かい紅茶が入りましたので、どうぞお召し上がりください」

目の前にソーサーとティーカップが置かれて、紅茶の薫りが真近に匂い立つ。

一口を飲んで、

「あなたの淹れる紅茶は、いつも美味しいわね」

口にすると、

「ありがとうございます」

と、リュートは微笑みを浮かべた。

その顔を見つめながら、本当に見惚れるほどの美形だと思う。

執事は立ち居振る舞いの優雅さとともに、顔立ちの美しさを求められることも多かったけれど、中でも彼は群を抜いて麗しかった。


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