ワンダーランドと雪白姫(童話集)



 それからというもの、継母はよりいっそう料理にはげみ、みじかい時間でたくさんの料理を作る方法を研究しました。

 そして月に一度、国中のひとたちを招待して、料理をごちそうしました。

 おいしい料理をお腹いっぱい食べ、しあわせに満ちた国中のひとたちは、今まで以上に仕事にはげみました。

 ひとびとが作った麦やチーズや綿などは他の国々からもたいへん好評で、飛ぶように売れました。

 国中のひとたちのよろこぶ顔を見た継母は、ますます料理の腕をみがき、レパートリーを増やしていきます。そして観光にやって来た他の国のひとたちにも、わけへだてなく料理をごちそうしました。


 そうしてだれもが笑顔で、いつまでもいつまでも、しあわせにくらしました。






(おわり)
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