今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
「…っ!は、離してっ…!」
叫び声にも似た声を張り上げると先輩はすんなりと私から離れた。
重なった視線の先に見える先輩は、口元に弧を描く。
「キスマーク付けといたから。それ見て芹沢がどんな顔したか今度教えてよ。じゃあね」
そう言い残して去って行く先輩の後ろ姿を暫く呆然と見ていたものの、すぐにハッと我に返る。
キスマーク、って言った……?
慌てて鞄からコンパクトミラーを取り出し確認すると、確かに首筋にはクッキリと赤い痣が刻まれていた。
信じられない…どうしてこんなこと…
どんな顔して家に帰れば……
♪♪♪♪♪♪♪♪♪…~~~
それはまるで、私の不安を察したかのようなタイミングでのたっくんからの電話だった。
どうしようか躊躇いながらもゆっくりと通話ボタンを押せば耳元には聞き慣れた声が届く。
『朱里?今どこ?』
「あ、駅の近くで…18時は過ぎそう、かも」
『もー、門限は守らないと』
「ご、ごめ…あ、何か用事だった?」
『うん。今日うちの親と朱里の親、揃ってビアガーデン行ったからさ、うちで一緒にご飯食べよ』
「一緒に…?」
『何か簡単なもの一緒に作りたいなーって。準備して待ってるから気を付けて帰っておいでね』
「…うん」
『じゃあ、またあとで』