今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
そんな日々が一年以上過ぎた中二の秋、俺はまたあの河原にいた。
あれから諒介さんは学校にちょこちょこ来るようになったものの、俺も諒介さんも常に女に囲まれていて学校ではなかなか話すことができなくて。
だからどうしても話したいときは携帯で連絡を取り、あの河原で話を聞いてもらっていた。
この日は、俺の方から諒介さんを呼び出していた。
恐れていたことが起きたから。
朱里が…他の男に告白されたんだ。
ユメちゃんがすぐに教えに来てくれたとこまではよかったけど、そこで気が付いた。
ただの幼馴染みの俺に何ができる?
女と遊びまくってる俺が朱里に他の男と付き合うななんて言う資格もない。
忘れもしない、あの日は雨が降っていて…
諒介さんを待っている間、俺は傘もささずに静かに泣いていた。
秋の雨はすごく冷たくて余計に泣けたのをよく覚えてる。
「ニャァ…」
その時、雨の音に紛れて聞こえてきた小さな声。
辿るように歩いてみると、少し離れた場所に置かれていたダンボールの中にいる子猫が目に入る。
抱き上げてみれば、消えてしまいそうな程に小さな声で鳴いていて…
「辛いよね…俺も辛い…」
小さな猫にこんなことを言ってしまうくらい、この日の俺は追い詰められていた。