今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
とりあえずその子猫を抱いたまま、濡れないようにと橋の下に避難した。
それから暫くすると諒介さんが向こうから傘をさして歩いてくるのが見えた。
「悪い。女につかまってて遅くなった」
「諒介さん、突然ごめんね」
「や、別に構わないけど…その猫はどうした?」
「そこに捨てられてたよ。でも…うち親が猫苦手だから飼ってあげられない」
「ふーん…じゃあうちで飼うわ」
「いいの?」
「どうせ高校入ったら一人暮らしするし、何か動物飼おうと思ってたから」
「一人暮らしって…なんで?」
俺の問いに諒介さんは少しだけ黙り込んだけど…
すぐに寂しそうな笑顔を浮かべて答えてくれた。
諒介さんの家は父子家庭で、お父さんとの仲もあんまり良くないらしい。
そのお父さんがもうすぐ再婚することが決まって、
『新婚生活の邪魔だから一人で暮らせ』
そう言われたんだと、話してくれた。