美しく優しいお姫様は探偵で
そして、私たち四人に鈴江さん、先輩を加えた六人で、事件現場に向かった。
「まったく……また探偵が出しゃばって……」
鈴江さんは移動中から到着するまで、ずっと同じような文句を並べていた。
でもいつも通りみたいで、三人は聞き流していた。
「うっわー……なにここ! 東雲さん、毎日こんなとこ通ってたんですか!?」
現場を見て素直に言葉を発したのは、当然宇佐美さん。
「はい。ここを通らないと、学校に行けないので」
「で? 私たち警察はあんたたち探偵みたいに暇じゃないの。さっさと要件を済ませてくれる?」
鈴江さんの厳しい口調に、思わず体が強ばる。
でも、美城さんは笑っている。