Perverse second
手早くシャワーを済ませて身支度を急ぐ。



ジャケットを羽織ってビジネスバッグを手にしたところで。



「…え…?…あれっ…?」



三崎の部屋のカードキーが見あたらない。



スーツケースを広げて昨日着ていた服を探るも。



「…ない…」



そういえば三崎の部屋からカードキーを持ってきた記憶がない。



ガックリと肩を落とし、ありえない、と呟き小さなソファーに崩れ落ちた。



もう何度目になるであろう溜め息をついたところで、部屋のチャイムが俺の思考を遮断した。



三崎だ!



慌てて駆け寄り大きくドアを開くと、目の前に立っている三崎に、どんな表情をしていいものか戸惑った。



思わず苦笑いした俺は、



「おはよ」



と先に挨拶した。



「おはよう」



いつもと何一つ変わりなく貼り付けた笑顔で挨拶を返す三崎に、嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか。



「ちょっと中に入らねぇ?」



言い表せないほどの不安が頭を過ぎって、下手に三崎に喋らせるよりも部屋でゆっくり話をしようと中へ促したのだが。



「やめておく」



三崎の言葉で背中に冷や汗が伝ったのがわかった。
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