Perverse second
特にどうということはない。



ただ単に気になった、というのが正しいと思う。



俺達とそんなに年も離れていないだろうに、津田と呼ばれた人からは、落ち着きと人を安心させて魅了するオーラがあるように感じた。



爽やかでイケメンで、人の良さが内面から溢れてくるような笑顔。



誰からも慕われる人間というのは、きっとこの人の代名詞何じゃないだろうか。



誰もから瞬時に好印象を持たれる部類の彼に、ざわざわと胸騒ぎがした。



持ってかれる。



この人が万が一、彼女に惚れてしまったら、きっと彼女はこの人を選ぶんじゃないだろうか。



再会初日にとてつもなく恐ろしい悪夢を見せられたようで、俺は思わず津田さんから視線をそらした。



胡散臭さの一つもないなんて、そっちの方がよっぽど胡散臭く感じるのは、俺の性格が歪んでるせいなのだろうか。



会議室で一通りの説明を聞きながら、俺は津田さんをじっと観察していた。
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