Perverse second
配属先の発表があった時は、気を抜けばガッツポーズをしてしまいそうなくらい舞い上がっていたと思う。



みさきゆいな、ミサキユイナ、三崎結菜



何度も何度も心の中で彼女の名前を連呼した。



新入社員は支店も合わせて総勢20名ほど。



オリエンテーションなどを行い、午後からは配属先に別れて、いよいよ本格的に研修がはじまった。



俺達、営業2課への配属は4人。



女性社員は三崎結菜と、面接の時に彼女と一緒にいた美人の楠原楓だ。



男性社員は俺と銀縁メガネが良く似合う穏やかそうな矢野晃弘。



残念ながらというか好都合というか。



陸は課が違うのでフロア階数も1階上で、そんなに顔を合わせることもなさそうだ。



陸の事だから、彼女と俺の周りをチョロチョロしてはニヤつきそうだし、丁度いい。



そんなことを思っていると、



「津田くん。後は君が教えてやって」



「はい」



大まかな説明を済ませた営業部長が声をかけた相手を見て、何故だか俺は心がざらつくのを感じた。
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