Perverse second
自分よりも若いただの女の目つきに背筋を凍らせるなんて、自分でもどうかしてると思う。



けれどどうしても放っておくと災いが起きそうな気がして、その日を境に三崎との距離をもう一度改めることにした。



それは傍から見れば全然感じない程度のもの。



きっと三崎本人だって気付いていないだろう。



決して二人きりにはならない様に。



三崎には理由なく触れないように。



言葉遣いにも最善の注意を払った。



意識的にそうすることで、同期としての距離保ち、自分の理性も守っているのだ。



そうこうしているうちに俺は、二日間の大阪出張を言い渡された。



いろいろと気疲れしつつある今の俺には、丁度いい息抜きになるだろう。



そう思うと、三崎と離れる不安より、少しの安堵が勝る。



ズルいとは分かっていたけれど、今は自分の気持ちを優先させてほしかったんだ。



出張から戻ってきたら、あんなに大変なことになるなんて思いもしなかったから。
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