Perverse second
的確な指示で、着々と三崎に振り分けられる数字が増えていく。



悔しいけれど、やはり津田さんは一番仕事ができる営業マンなのだ。



考えてみれば、俺が大阪に行ったのだって、本社が津田さんを離さなかったからで、俺は津田さんの代わりに行ったに過ぎない。



俺が目指す先にはいつも津田さんがいて、第一線から退きフォローに回ったとしても、やはり津田さんの存在はいつも大きい。



これから先も、ずっとこの人の背中を追いかけていくんだろう。



尊敬できる上司がいることで、俺もまた成長できるのならば有難いことだ。




物流の在庫は全て押さえられ、津田さんの交渉もあって、何とか数を集めてもらえることになった。



これは間違いなく、津田さんの人脈のたまものだと思う。



俺が同じことをやっても、到底この数字は取れなかった。



オールマイティーに仕事ができて、それをやっかまれることもなく誰からもす好かれるなんて、なんていい男なんだろうか。



チート級の男じゃないか。



「津田さん、柴垣くん。本当にありがとうございました」



三崎のその言葉で満たされるほど、俺は彼女の為に何かができたわけじゃない。



全ては津田さんのおかげのなのだから。
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