Perverse second
俺なら俺だったら俺のほうが。



頭の中では醜い嫉妬と、都合のいい変換。



けれど話を聞くにつれ、何となく相手の男の心情が見えてきた。



たぶん、だけど。



三崎は浮気された初カレがあってからか、男というものに偏った思い込みを持っているようだ。



尽くして尽くして裏切られないように予防線を張る。



しかし仕事でも頭角を現しているように、三崎はできる女だ。



性格容姿仕事、全てを兼ね備えている女から尽くされる重圧というものがあったのかもしれない。



俺に言わせれば、その幸せな重圧に耐えられない男の器が猪口並に小さいのだが。



俺なら絶対にそんなことしないのに。



最終的に行き着くところは、そんな虚しい脳内変換。



自分にも三崎にも相手の男にも腹が立ってきて。



俺はわざと椅子をガタンと鳴らして立ち上がった。



「「きゃっ」」



短く叫んだ2人が一斉にこちらを見る。



視界に入った三崎は、あんな話をしていたくせに変わらず可愛くて。



それすらも俺をイラつかせた。



お前が俺を選ばないから悪いんだよバカヤロウ。
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