Perverse second

『さっきさ、三崎さんにメッセージ送ったんだ』



「メッセージ?」



「ああ。俺の机の中に家の鍵があるから、先に家で待ってて……てね。一応住所も送ったんだけど、迷わず来れるかなぁ。ねぇ柴垣、どう思う?』



ふざけんな。



なんで俺にそんなこと聞いてんだよ。



いくらなんでも、ありえねぇだろ。



「しらねぇし……」



『まだ返事はもらってないけど、メッセージ読んだら来てくれるかな。本当はちゃんと自分の口で言いえばよかったんだけど、得意先に捕まっちゃって……』



「津田さん」



俺は少し大きめの声で津田さんの話を遮った。



「すみません。俺、津田さんの話についていけないんですけど。申し訳ないですけど、切らせてもらっていいですか」



津田さんの返事も待たずに携帯を耳から離した途端。



『柴垣って駄目な男だよね』



とても津田さんが言ったとは思えなくて耳を疑った。



『仕事ができて顔も良くて、性格はキツいけど情に厚くて、女性にもモテて。理想的な男だって騒いでる子たちが多いけど、実は自分の本心から逃げまくりのダメ男。そこまで逃げ続けて、その先には何があるんだろうね』



「ずいぶんとわかったようなこと言ってくれますね。俺が三崎に今気持ちを伝えたら、困るのは津田さんでしょう?」



今までの津田さんと俺の関係性からは、考えられないような会話だが、どうやらすっかり津田さんのペースに乗せられてしまったようだ。
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