Perverse second
『別に今さら柴垣が三崎さんに気持ちを伝えたくらいじゃ、俺は困ったりしないよ』



鼻で笑いながら津田さんは続ける。



『どうせ柴垣にはそんな勇気もないだろう?』



この言葉が俺の中で燻っていたスイッチを押した。



「今から三崎に連絡します。津田さんのところなんかに三崎は行かせねぇ」



『俺のメッセージに気付いて、今頃マンションに向かってくれてるかもしれないよ?』



「連れ戻す」



『やれるもんならやってみろよ。本当にできるならね』



津田さんはそう言うと、一方的に俺の電話を切ってしまった。



まるで俺を焚付けるかのような津田さんの電話。



よほど自分に自信があるのか。



それとも自分を想う三崎の気持ちに自信があるのか。



そんなことはわからない。



けれどもう、これを逃せば津田さんの言ったとおり、一生後悔するだろうということだけには気付けた。



いつも頭でグダグダ考えるからダメなんだ。



俺は喫煙ルームから駆け出し、タクシー乗り場へ向かいながら三崎のスマホに電話を掛けた。



長いコール音だけが響く。



もしかしてもう、津田さんのところに向かっているんじゃないか……。



そう考えたら足が止まりそうになる。



頼む。



出てくれ。


そう願った時。



『……もし……もし?』



俺の願いが通じた……。
< 170 / 193 >

この作品をシェア

pagetop