Perverse second
「俺、何回お前に信じられねぇって思ったかわかんね」



三崎の思考はいつでも俺の斜め上を行く。



どれだけ俺が三崎を想っていても、自分のことを好きなのかもしれないなんて想像もしていなかったんだろう。



それもこれも、気持ちの伝え方を知らなかった俺のせいなのだけど。



俺は三崎の手を引いて彼女を俺の隣にソファーに座らせた。



俺の体温よりも少し低い三崎の手を包み込むと、三崎も微かに握りしめてくれたような気がする。



「なんなのお前。俺ちゃんと言ったよな?お前の事ずっと見てたって」




「いつ?」



いつ……って。



俺とお前が初めて本心で話した日のことなのに、それも覚えてないのか。



「俺が本社に戻ってきてしばらくしてから。2人で残業して、いろいろ話したろ?」



「あ……」



「ずっと見てたって言われても、どういう意味かなんて考えなかったから……」



俺にとっては半分告白のような気持ちもあったというのに。



「話の流れで普通はわかるだろ」



「同期の私をずっと気にしてくれてたんだなぁって思ってた」



「……ありえねぇ」



大きな溜め息は二人きりの空間にはよく響いた。



ただの同期の女をそんなに意識して見守ったりするわけないじゃないか。



大きな溜め息は二人きりの空間にはよく響いた。



三崎と楠原との態度の違いは、あからさまと言われても仕方がないほど違っただろうが。



そんなこともわかってもらえてなかったのかよ……。
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