Perverse second
「最初の夜にだって俺はちゃんと言ったぞ。お前の事貰うって」



「……」



俺を求めてくれた時点で、俺は三崎から受け入れてもらったと思った。



俺にとっては告白のつもりだったし。



「でも……あの時の柴垣くん、怒ってたし」



「目の前で持ち帰られる寸前だったんだぞ。そりゃ怒りもするだろ普通」



もう名前も思い出したくないし、二度と顔も見たくねぇ。



俺が手を拱いている間に、軽い気持ちで三崎を堕とそうと迫った男のことなんて。



あの時もし俺が気付かなかったら、コイツは一体どうするつもりだったのだろう。



考えただけでも恐ろしいし腹ただしい。



「なんだか怒りに任せて感や、他の誰かに対する優越感の方が勝ってる気がしたんだもの」



確かに『みんなの三崎』を『俺』が『抱いた』ら『会社のみんなはどう思うのか』という気持ちがあったのは事実だ。



けれど本当は。



「あの言葉は……」



津田さんの顔がチラついて、津田さんよりも俺を求めてくれたことに優越感を感じていた。



そんな感情があったことを悟られたことが申し訳なくて、バツが悪そうに視線を逸らす。



繋いでいる手をじっと見つめると、やはりそんな気持ちさえも話さなくてはいけないと思った。



「ごめん……。俺、ずっと津田さんが怖くてさ。あれだけのいい男だし、お前なんてすぐ持ってかれると思ってたから。さっきまで」



「柴垣くん……」



本当にさっきまで津田さんが怖くて羨ましくて妬ましくて。



嫉妬で気が狂いそうだったんだ。



親指で三崎の手の甲を撫でて、三崎が俺の手の中にいることを確認していると。



「あ、思い出した」



唐突な三崎の声に甘さを断ち切られてしまった。
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