Perverse second
明日も仕事だということを忘れさせるかのような飲みっぷり。



さすが博多、あっぱれだわ。



最高潮に盛り上がり、チラリと三崎の方に視線を向けると、よろよろと席を立つところだった。



あいつ、結構酔ってるな。



足元をふらつかせながら消えた三崎が心配になり、後を追うかと思った時。



隣にいた中西が、コソコソと落ち着きのない動きを見せる。



何やってんだ?



周りの目を盗み三崎の荷物を手にして自分のジャケットで隠すと、誰に声をかけるわけでもなく席を外した。



あの野郎、絶対三崎を追って行ったな。



豊島に三崎が酔っているから先に帰ると耳打ちすると、三崎がいないことを確認した豊島は、小さく親指を立てて了解してくれた。



豊島が女子社員の気をそらしてくれているうちに、俺も荷物を持って個室を出る。



トイレの方向へ向かうと案の定、男女の話し声が聞こえてきた。



「ほら、行こう」



このねっとりとした声の主は、やはり中西だ。



「…柴垣くんと一緒に帰るし…」



かなり嫌がった口調で三崎の声がするが、そんな言葉で盛った男が引くわけがない。




「ホテルはわかっとうし問題ないやろ?」



そっと覗くと三崎の姿は見えないが、壁に追いつめられて、かなりの至近距離から迫られているようだった。



放っておくと、確実に引きずってでも連れ帰られるな。



「おいコラ三崎」



不機嫌さをあらわにして、中西に囲われた三崎に向かって声を投げかけた。
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