Perverse second
「くぅぅっ!最っ高!」



乾杯と同時に喉に流し込んだビールは、あっという間に全て豊島の体内に吸収されていった。



キンキンに冷えたままのカラの中ジョッキをドンとテーブルに置いて豊島は、美味い、と呟いた。



「何でビールってこんなに幸せな飲み物とかいな。たまらん」



「安上がりな幸せだな」



笑ってそう返すと。



「そんな安上がり男には、ハイこれ」



開始早々から俺の周りになだれ込んできた女子社員達が、豊島にポイっとハッチパネルを渡す。



「好きなだけ注文しい。ほら、柴垣くんは飲んで飲んで!」



「ジョッキじゃなかったらお酌するのに」



ジリジリと詰められた距離が近くて、上手くものが食べられない。



刺身とか、めちゃくちゃ美味そうなのに。



酔い潰して連れて帰るだの、ホテルに押し掛けるだの、豊島が邪魔だの、好き放題言いながら、驚くほどのスピードで酒がなくなっていく。



俺も三崎もグラスがカラになる事がなく、ひっきりなしに飲まされる。



九州の人は酒を水だと思って飲むと聞いたことがあるけれど、あれ本当なんだな。



同じように人に囲まれている三崎を見ると心配になる。



アイツ…飲み過ぎてなきゃいいけど。
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