異世界にて、ファッション革命起こします!!


そうして、そろそろ社交シーズンも終わり、秋も深くなる頃。


私のお針子教室もそろそろ終わりにして、また自分の好きにファッションを楽しもうとしていた矢先。


その事件は起きた。
事件というか、言い掛かり的なものである。


どうやら、私が現れるまでは王太子妃の第一候補であった、ミジェスタ侯爵令嬢アマーリエ様がとうとう我慢ならなくなったのか、直接的に仕掛けてきたのだった。


それは、このシーズン最後を飾る王宮での夜会で起きた。

この日はシーズン最後の夜会とあって、王太子であるジュール様も忙しく、私のエスコート役はお兄様であるリュカさんだった。


すると、珍しく王太子様と一緒でなかったことから。
このシーズン不満があった令嬢方を引き連れたアマーリエ様が、私とのすれ違いざまに私のドレスにワインをかけてきたのだ。


「あーら、ごめんなさい。私ったらうっかり手が滑って…」


言葉とは裏腹にクスクスと笑いながら言われた言葉。
周りの令嬢もアマーリエ様の取り巻きらしく、その顔にはニヤニヤとした笑みが浮かんでいる。


隣に居たお兄様が声を出そうとしたところを、私は袖口を引いて止めた。


今日のドレスは白のシルクにシャンパンゴールドのソフトチュールを重ねたエンパイアドレス。

そこの前を膝から下に赤ワインがドバーっと掛けられたのだ。
見るも無残な姿となった私に彼女たちは笑いが収まらない様子。
わざと行われた、その行為に腹を立てお兄様は文句をつけようとしたのだろう。
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