異世界にて、ファッション革命起こします!!

彼女達が汚したこのドレス。
彼女たちは、この生地の価値も分からぬ小娘たちだ。


相手にするのも面倒だが、これはしっかりお灸を据えねば私とて我慢ならないのだ。


この生地は王女エリーザ様の婚礼衣装デザインと制作手伝いのお礼に頂いた、最高級シルクである。

そして、これはエリーザ様の婚礼衣装と同じ生地である。
エリーザ様からの感謝の気持ちとして頂いた大事な生地。

その生地を使い、今日の夜会のために仕上げたドレスだった。
エリーザ様へきちんとお礼をするために、仕立てたドレス。

そもそも、ドレスにワインをかけるなんて…

ファッションへの、引いては生地を作る職人、それを形にするお針子への冒涜だ。
赦すまじ、小娘軍団!

私はいつになくこの時、キレていた。
怒りボルテージマックスであった。


「ミジェスタ侯爵令嬢、アマーリエ様?」

「あーら、なんですの?ただの養女の分際で。もっと私への態度を改めてはいかが?」


貴族の身分を笠に着た傲慢令嬢め!
その身分は父親のものであって自分は何もしてないでしょうに!
メラメラと怒りは燃え続ける。


「いかにも、私は養女ですわ。シュヴァイネル侯爵家の」

アマーリエ様の取り巻きの令嬢たちは少し顔色が悪くなる。
侯爵令嬢アマーリエ様の取り巻きならば、家格は伯爵以下。
本来、初めましての私に自分たちから名乗らねばならない。
彼女たちは淑女教育を受けている身。
この貴族社会は未だに家格の序列を重んじている。

< 85 / 110 >

この作品をシェア

pagetop