極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「大丈夫よ、有香」
とりあえず声に出して言ってみる。
だって今さらジタバタしたところで、仕方がないではないか。
「どこが大丈夫なのよ?」
「うちは大企業でしょ。あれだけの会話で個人を特定するのは無理よ」
「でも名前言っちゃったじゃない。有香とか柚希とか」
「下の名前だけだし、有香も柚希もまあよくある名前……でもないか……」
特に私の名前が。
我ながらロジックが苦しい。
「それに有香は顔を見られてないでしょ? だから大丈夫」
「じゃあ柚希は? まともに顔を見られたじゃないの」
「私も大丈夫!」
情けないけれど、ここだけは自信満々で胸を叩いた。
「私、今日はバッチリお化粧してきたし! 人事データの写真は普段と同じノーメークだから、同一人物とは特定できないわよ」
そう。品川本社に来る日は私のささやかな〝晴れ〟なのだ。
とりあえず声に出して言ってみる。
だって今さらジタバタしたところで、仕方がないではないか。
「どこが大丈夫なのよ?」
「うちは大企業でしょ。あれだけの会話で個人を特定するのは無理よ」
「でも名前言っちゃったじゃない。有香とか柚希とか」
「下の名前だけだし、有香も柚希もまあよくある名前……でもないか……」
特に私の名前が。
我ながらロジックが苦しい。
「それに有香は顔を見られてないでしょ? だから大丈夫」
「じゃあ柚希は? まともに顔を見られたじゃないの」
「私も大丈夫!」
情けないけれど、ここだけは自信満々で胸を叩いた。
「私、今日はバッチリお化粧してきたし! 人事データの写真は普段と同じノーメークだから、同一人物とは特定できないわよ」
そう。品川本社に来る日は私のささやかな〝晴れ〟なのだ。