極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
先のことを考えて悲観したくはないけれど、この恋に永遠を望むほど現実を知らない年齢ではない。
ここまで好きになってしまったら、いつか彼の傍にいられなくなった時、過去とは比べ物にならない打撃を受けることも分かっていた。


それでも私は後悔していないし、彼の後に恋をしようとは思わない。
むしろこれが最後の恋でいい。
だから、ささやかな夢は彼に叶えて欲しかった。

堂々と手を繋いで歩いて、誕生日にはお祝いをして、それから──。


「柚希」


「ひゃっ」


突然、後ろからポンと頭を叩かれ、思わず驚いて声を上げた。

でも以前とは全然違う。
名前を呼ぶ一声だけで、大好きな人のものだとわかるから。



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