極甘同居～クールな御曹司に独占されました～
振り向くより先に、高梨さんが笑顔で私を覗き込んできた。


「相変わらずボーっと歩いてんな」


「失礼な。颯爽と歩いてたのに」


「どこがだ」


高梨さんは吹き出して、いつもの調子でくしゃっと頭を撫でる。


「また痴漢に狙われないか心配してるんだぞ」


実は先日、アパートの付近でそれらしい容疑者を現行犯逮捕したと警察から連絡があった。
一人暮らしの女性をつけ狙い、ベランダに侵入しようとしたところを通報されて御用になったらしい。
取り調べに対し、容疑者は余罪についてもほのめかしていて、おそらく私を狙っていた犯人と同一だろうということだった。


その犯人がどれほどの刑罰を受けるのかは未定で、この先もずっと安心できるわけではないけれど、とりあえずにこの同棲における私サイドの事情は解決してしまった。



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