極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
しばらくもがいてみたけれど、痛みが余計にひどくなるばかりだった。
倒れた自転車の上に腹ばいになったまま、必死に声を上げた。


「誰かー……」


大声を出したつもりなのに、口から絞り出したそれは頼りなくか細くて、駐輪場に敷かれた砂利に吸い込まれていった。
何度か叫んでみたけれど、あまり意味がないことはわかっていた。
こんな時間に人通りはないし、まして駐輪場の利用者は元々ほとんどいない。


じっとしていると、寒さが限界に近づいてくる。
痛いし寒いしひもじいしで、私は半泣きになってきた。
携帯で誰かに連絡すればいいのだと思いついたけれど、肩にかけていたバッグは倒れた拍子にどこかに落ちたようで見当たらない。


「助けて……」


このまま誰にも発見されなかったら、朝になる頃には低体温症で死んでしまうかもしれない。


「誰かー……」


何とか自力で動こうとして脚をばたつかせると、誰かの放置自転車に当たり、大きな音がした。
同時にまた腰に激痛が走る。


「痛い……」


いい歳して、〝半泣き〟を通り越して私はベソをかいていた。

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