極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
こんな場所で死にたくない。
ずっと必死で頑張ってきたのに。

ノーベル賞ものの発見で世の中に貢献もしていなければ、満足に恋もしていない。
私の人生、まだ花も開いていないのに、一人ぼっちでこんなマヌケな死に方するために頑張ってきたんじゃない。


しばらく泣きながら凍える身体をさすっていると、事務棟の向こう側で砂利を踏む足音が聞こえた。
遅くまで残業していた、どこかの部門の社員だろうか。


「すみません! 助けて……」


もうみっともないなどと構っている余裕もなく、私は腹ばいのまま必死で声を張りあげた。
すると、幸運なことに足音の主はどうやら私に気づいてくれたらしく、砂利を踏む音がこちらに走ってやってきた。


「どうしました? 大丈夫ですか?」


奇跡のような救世主は声しかわからないけれど、若い男性らしい。


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