極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「来月あたりから忙しくなる。出張も増えるし、一人にさせることが増えると思う。その前に一回ぐらい遠出しようか。軽井沢の店なんだけど」
てっきり東京の下町のどこかだと思っていたのに、遠出だなんて。
彼の言葉の最後の部分が嬉しすぎて、前半の内容がすっかり吹き飛んでしまった。
目を丸くして見上げていると、立ち止まって私が息を吹き返すのを待っていた彼が笑い出した。
「軽井沢は嫌か?」
「い、行きたいです!」
みっともないぐらいに勢い込んで返事すると、大きな手が私の手を包んだ。
そっと引かれて、また歩き出した。
「なら決まりだ」
可愛い奴だな、という声とともに頭を撫でた大きな手は、一瞬だけ一人ぼっちにされた私の手をまた拾い上げる。
気の利いたことが言えない私はそれきり黙って、彼の手を握り締めて歩いた。
このままもう少しだけ傍にいたい。
彼の事情が解決してしまう日まで、できるだけ長く……。
切に願いながら、小さな隠し事を胸の中に仕舞った。
てっきり東京の下町のどこかだと思っていたのに、遠出だなんて。
彼の言葉の最後の部分が嬉しすぎて、前半の内容がすっかり吹き飛んでしまった。
目を丸くして見上げていると、立ち止まって私が息を吹き返すのを待っていた彼が笑い出した。
「軽井沢は嫌か?」
「い、行きたいです!」
みっともないぐらいに勢い込んで返事すると、大きな手が私の手を包んだ。
そっと引かれて、また歩き出した。
「なら決まりだ」
可愛い奴だな、という声とともに頭を撫でた大きな手は、一瞬だけ一人ぼっちにされた私の手をまた拾い上げる。
気の利いたことが言えない私はそれきり黙って、彼の手を握り締めて歩いた。
このままもう少しだけ傍にいたい。
彼の事情が解決してしまう日まで、できるだけ長く……。
切に願いながら、小さな隠し事を胸の中に仕舞った。