極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
夕食と片付けを済ませると、二階にあるお風呂を私が先に使わせてもらった。


「終わったら先にジャグジーに入ってて」


ドア越しに彼に声をかけられ、外に繋がるドアからそっと表に出た。
空からしか見えないのに、タオルで身体を隠していても落ち着かない。


そこは広いウッドデッキになっていて、中央には二人が十分に入れる大きさのジャグジーが気持ちの良い音を立てていた。
デッキを照らすのは浴室のガラス窓から漏れてくる明かりだけだ。


そろそろとタオルを外して近くの椅子にかけ、ジャグジーにゆっくり身体を沈める。
水泡で揺れるお湯にはハーブの葉が浮かべられていた。


眼下に濃く沈むカラマツの木立の上には、星を散りばめた夜空が広がっている。
手の届きそうなところに星がまたたいていた。


ほどなくしてドアが開く音が聞こえ、高梨さんがデッキに出てくるのがわかった。
リラックスしていた心臓がどくんと飛び跳ね、私は振り向く勇気もなく背中を固くする。



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