極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「絶景だな」


隣に立った高梨さんに身体を寄せる。
時間とともに空は少しずつ色を変え、その変化は言葉では表現できない美しさだった。


あまり私が眺めているので、彼が腕を引いてソファーに誘導してくれた。
景色を堪能できるように窓に向かって大きなソファが配置されている。


柔らかなソファーに身体を沈め、彼に寄り掛かって夕暮れの空を眺めた。
二人とも無言の静かな空間には、巣に帰る鳥たちが呼び合うさえずりが聞こえてくる。


「贅沢ですね……」


最後の夕陽の欠片がカラマツの森に沈んでいくと、私はほうっと息を吐いた。


「夕焼けとか、全部」


彼とここに居られること。
今この瞬間のすべてが贅沢だ。


「夕焼けは東京でも見られる」


彼は隣で笑っている。
私にとってこれがどれだけ大切なものか、彼は今一つわかっていない。


「贅沢に慣れちゃってるんですよ」


「御曹司なんだから仕方ない」


本音は隠して冗談で絡むと彼も応え、いつもの私たちに戻った。



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