極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
いったん身体を起こして私を眺めていた彼は、呆れたような表情で再び屈みこんできた。


「じっとしてろ」


ぐっと近づいたその低い声と同時に、膝裏に腕が差し込まれた。


「えっ? あの、や、やめ……っ」


あとは声にならなかった。彼が軽々と私を抱えあげたのだ。


「俺の首につかまって」


苦手なイケメンに抱き上げられているという、理屈の上ならば虫唾が走る状況のはずなのに、不覚にも私の心臓は辺りに響いているのではないかと思うほどすごい勢いで打っている。
身体を離していないと、ばれてしまいそうだ。

それなのに首につかまるなんて、さらに密着してしまうではないか。できるわけがない。

平坦な私の人生に起こるはずがなかった状況に、頭の中は上を下への大騒ぎだった。


「落ちるぞ」


若干の呆れを含んだその声は心なしか「落とすぞ」にも聞こえる。
仕方なく、そろそろと遠慮しながら彼の首に腕を回した。


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