極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
〝痴漢が逮捕されたと警察から連絡がありました〟


彼は私のことを心配するだろうか?
お節介な人だから、またセキュリティがどうだの、アパートにやってくるかもしれない。

でももうすべてから離れて、一人でいたかった。
最初の取り決めの時に話した「職場に好きな人がいる」というもう一つの設定を思い出し、書き続ける。


〝問題が解決したので、好きな人のところに帰ります。今まで楽しかったです。ありがとうございました。お元気で〟


冷蔵庫の作り置きもキッチンの食事も時間がないのでそのままにしておいた。

邪魔だったら捨てておいてね。
でも、身体のために、できるだけ食べてね。


オーブンの中のパンだけ紙袋に入れて手に持ち、キャリーを引いて玄関に向かう。
鍵をかけ、閉じたドアに額をつけて、私は小さく呟いた。



「さよなら」



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