極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「帰ろ……」


アパートに戻れば、果てしなく長い、ひとりぼっちの夜がまたやって来る。
毎日が同じ苦しみの繰り返しだ。


あれから二週間。
時間薬なんてインチキだ。
私にはさっぱり効いてくれない。

会いたくて、声が聞きたくて、苦しくてたまらない。



三交代の工員さんの誰かが乱雑に停めたのか、自転車が引っ掛かってなかなか引き出せない。
絡む自転車を引っ張り、力を込めた時だった。

右手薬指でプツリと音がした。


指輪のテグスが切れたのだろうか。
あっ、と思った時にはもう遅く、私の右手から切れた指輪が滑り落ちた。

慌ててしゃがみ込み、落ちたと思われる辺りを目を凝らして探した。
でも小さな指輪は粗い砂利の隙間に入ってしまったのか、見つけることができない。



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