極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「うそ……指輪が……」


高梨さんから貰った指輪は私にとって何より大切な宝物だった。
素手で砂利をかき分けても指が傷つくばかりで、指輪は見つからない。


やみくもに砂利をかき分ける私の目から、一粒、また一粒と、大粒の涙の雫が落ちた。


泣かないと決めていたのに。
泣いても彼のところには帰れないのに。


でも、涙は後から後から零れ落ちた。


今まで一人でやってきた。
だから元通りになるだけなのに、苦しくて、寂しくて、心が痛くて耐えられない。


一人で頑張れるなんて綺麗ごとだ。
思い出さえあればいいだなんて、綺麗ごとだ。


「高梨さん……」


その名前を口にしてしまうと、心を支えていた何かがプツリと切れた。


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