極甘同居～クールな御曹司に独占されました～
前回からの改善案に基づいて細かい設定を変更し、変化を記録し終えると、私は肩の凝りをほぐしながらクリーンルームを出た。


防塵服を脱ぐエリアには、先客が一人いた。
現場工員さんの交代時間ではないので、どこかの部門の技術社員だろう。


「お疲れ様です」


防塵服は顔が見えないので男女の区別すらつけにくいため、誰かと出くわしても用がない限り軽い挨拶だけでスルーするのが通例だ。
いつも通り軽い挨拶をしてマスクを外していると、隣から不意に話しかけられた。


「お久しぶりね」


「う……うわっ」


防塵服を着て目だけを出したその社員は、あの長谷川麻里子さんだった。


「お久しぶりです」


驚いて叫んでしまった後、慌てて頭を下げた。
彼女はマスクを取ると、こちらを向いて微笑んだ。


「ノーメーク仲間よ」


記憶していた印象とかなり違ったので、すぐに言葉を返せなかった。
でもナチュラルで優し気に見え、メークしなくても十分に美しかった。


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