極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
秋にモバイルメーカーから新型の端末が発売されるため、この夏はそれに向けた仕様の液晶パネルの量産ライン立ち上げが山場を迎える。
この度の体制強化の後押しもあり、職場は大いに士気が上がっている。


昼食を終えると、私は普段より早くクリーンルームに入った。
有香と蕎麦屋に行く約束をしているので、早く帰るだめだ。

今日はなんと、高梨さんも来てくれることになっている。
場所はもちろん新橋のあの店。
出会いのスリーショットが実現するなんて、考えるだけで笑ってしまいそうだ。


今はもうメークはしていない。
しないと決めた訳ではなく、気分によりお洒落する日もあれば、大仕事の日は気合を入れてノーメークで臨む。

以前のような自虐的な意識でのノーメークでなく、技術者として胸を張っての素顔。


女としての自分と技術者としての自分の間で自信なくふらふらしていた中途半端な私の意識を変えてくれたのは言うまでもなく、高梨さんだ。



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