極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「ちょっと待て。カバーをめくるから」


仕方がないなという表情で戻って来た高梨さんが私の下からカバーを引き抜き、寝られるように大きくめくってくれた。
それから運んでくれた時のように私を一度抱えあげ、横たわる形で寝かせてくれた。
態度は迷惑そうでも、動作は優しい。


「すみません……本当に」


しおらしく謝った次の瞬間だった。
二人だけの静かな寝室に、私のお腹の虫が派手な音で響き渡った。


ああ……。死にたい。
もう、本気で死んでしまいたい。
神様、どうか私をこの部屋から消してください。


あまりの恥に耐えられず、私は目を瞑って現実逃避しようとした。


「……ブッ」


でも頭上で吹き出す音で目を開けると、高梨さんが笑っていた。
蕎麦屋で見た愛想笑いとは違う笑顔に少しだけ視線を奪われたあと、見とれてはいけないと目を逸らす。


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