極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
もっと部屋をよく見ようと首を回すと、頭上の枕元に私のバッグが置いてあるのを見つけた。
あまりのアクシデントに動転して、今の今まですっかり忘れていた。

身動きが取れないので、なすすべなく仰向けに寝たまま考える。
あの時、私を抱えながら、側に落ちていたバッグも拾ってくれていたのだ。
改めて心の中で頭を下げた。
時々態度は大きいし意地悪だけど、意外といい人なのかもしれない。


でも、気づかれているのかセーフなのか、いったいどっちだろう?
誰かにジャッジしてもらわないと敵陣で動けなくなってしまった身としては不安で落ち着かない。

何とか腕を伸ばしてバッグの中からスマホを探り出し、有香に事の次第をメールしようとしたけれど、腰が痛くて体勢を変えられず、どうにも打ちにくい。


〝大変なことになったの! 腰を痛めて、例の御曹司に助けられて、彼の家に〟


そこまで書いたところでいきなり玄関ドアの音がしたので、驚いたはずみで送信してしまった。
廊下を進むコンビニ袋の音が近づいてくるので、仕方なくスマホを枕の下に突っ込んだ。


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