極甘同居～クールな御曹司に独占されました～

「身内と相手方だけでいい。職場や会社まで巻き込む必要はないし、俺もその方がいい」


「……」


「こちらばかりのメリットでは申し訳ない。まず、食費を含めた同居中の経費は当然ながらすべてこちらで持つ」


二百円の海老天すら食べられない私の経済状態を知っているせいか、敵は私の最大の弱点を突いてきた。


「それから、通勤には俺の送迎車を使ってもらいたい」


「あ、免許は持ってますけど、ペーパードライバーなので、高梨さんのマンションから第二事業所まで運転するのは無理です。しかもあんな左ハンドルの高級車なんて」


たぶん命が幾つあっても足りない。
トラクターしか走っていないような田舎道で取得した運転免許は、都会ではまったく意味がなかった。

そもそも、車を買うお金もないのだけど。


「運転手がいるから大丈夫だ。この間、中島には会っただろう」


まさか、お抱え運転手をつけて頂けると？
平民から貴族になるようで、想像しただけで頭がくらくらする。